ここでは、PTSDやトラウマ関連の症状に効果的な対処法を3つご紹介します。
- カウンセリングと平行して自宅でも症状に対処できるようにしたい
- カウンセリングを開始する前に自分にできる対処法を知りたい
- センターへの来所は難しいが自宅でできる対処法が知りたい
このような方には、是非日常の中に取り入れていただければと思います。
また、トラウマを抱える方の中には、カウンセリングでトラウマ体験について語ることで恐怖心や不安が強くなることを恐れる方がいらっしゃいます。
これらの対処法は、カウンセリング中に恐怖心や不安が強まった場面でもよく使われる方法です。自分自身で恐怖や不安に対処できたという経験は、トラウマ症状からの回復のためにとても大切な経験になります。
10秒呼吸法
興奮時やパニック時には呼吸が浅くなります。ゆったりとした呼吸を意識することで、体の緊張状態を緩めます。
<やり方>
心の中で10の数字をカウントをしながら、深呼吸をしていきます。
①鼻から息をすう カウント:1・2・3
②息を止める カウント:4
③口から息を吐く カウント:5・6・7・8・9・10
これを5回ほど繰り返します。
5・4・3・2・1法
パニック時には過去の記憶に引っ張られて体の感覚まで過去に引き戻されてしまいます。今この瞬間は安全であるということを、現在の体の感覚を通じて実感することで安心感を取り戻します。
<やり方>
①目に見えるものを5つ言う(視覚)
②触れるものを4つ言う(触覚)
③聞こえるものを3つ言う(聴覚)
④匂いのするものを2つ言う(嗅覚)
⑤味のするものを1つ言う(味覚)
筋弛緩法
恐怖感がある時には、無意識に筋肉に力が入ってしまい、緊張状態から脱することが難しくなります。意識的に筋肉を緊張させ脱力させる動作を繰り返すことで、体が緊張状態からリラックスした状態になるように促します。
<やり方>
①レモンをしぼるようなイメージで5秒ほど手を握る
②レモンの汁をたらすようなイメージで握った手をゆるめる
③6~10秒ほど脱力させ、筋肉がゆるんでいるということに意識を向ける
これを5回ほど繰り返します。